「れ、れ、れ…」

水萌が口をパクパクと、魚のように動かしている。

レレレのおじさんかよ。

「蓮ちゃん家!?」

慌てふためく必要がどこにあるのかわからない。

「一緒に暮らしてた姉弟が急に別居生活を始めたら変に思うだろ」

そう言った僕に、
「…あ、そうだよね」

ようやく理由がわかったと言うように、水萌はヘルメットをかぶった。


僕と姉が住んでいる家に到着した。

「何か変だよね、一緒に生活するのって」

ソファーに腰を下ろすなり、水萌が言った。

「そうか?」

俺は返事する。

「だって、その…」

水萌はモゴモゴと口を動かしている。