とりあえず、今は落ち着こう。

「ええ、この番号であってますよ。

それで、どうされたんですか?」

「実は…佐々木さんのことについて思い出しましたので、お電話をかけさせてもらいました」

姉について?

彼女は何を思い出したのだと言うのだろう。

「続けてください」

「佐々木さんは、人に紹介されてクリニックにやってきたんです」

「紹介?」

「その人は…」

彼女の口から出てきた言葉に、僕は驚いた。

例えるとするならば、雷に打たれたような衝撃だった。