「1限目の放課に川田先生に用事があって先生の研究室を訪ねたの。

そしたら、中條先生が佐々木さんを抱えて階段を下りてくところをバッタリ鉢あわせちゃったの。

何故か中條先生はギョッとして、それで逃げるように」

佐々木って、黎…じゃない、水萌のことか!?

僕は胸騒ぎがして仕方がなかった。

「ちょっと君たち!」

僕の声に女子2人は何事かと言うように視線を向けてきた。

「その話、もう少し詳しく教えてくれないかな?

み…姉が中條に抱えられて下りてったって、どう言うことなの?」

僕のただならぬ様子に、女子は戸惑っている。

「もしかして、佐々木さんの弟さん?」

そのうちの1人が僕に聞いてきた。