その日の夕方、僕は姉が通っている大学の門の前にいた。

「遅いな…」

水萌のヤツ、何をやってるんだよ。

そう思いながら僕は、スマートフォンで時間の確認をした。

もう授業はとっくに終わってるはずなのに、何でこないのだろうか?

僕はバイクにもたれかかりながら、水萌の帰りを待った。

「さっさとこいっつーの。

違反でつかまったら、シャレにもなんねーぞ」

この前、信号無視で警察に叱られたばっかだっつーのに…。

俺の点数を減らすんじゃねーぞ、バカ水萌。

もう1度息を吐いて、スマートフォンで時間の確認をしていた時だった。