* * *

「ごめんね、僕のスウエットしか着替えるものがなくて」

「いえ、充分ですから」

黎は長い髪をタオルでふきながら首を横に振った。

外はまだ雨が降っている。

確か天気予報では、明日も雨だと言っていた。

「乾いたらすぐに服を渡すから、それまで待ってて」

「はい、わかりました」

「どこか適当に座ってて、すぐにコーヒーの用意をするから」

そう言った中條に、
「助かります」

黎はソファーに腰を下ろした。