砂袋をつけられたみたいだ。

躰が重くて、仕方がない。

力が全くと言っていいほど入らない。

やっと、腰をあげる…でも、それ以上は動くことができなかった。

バタッ…!

気がつけば、躰は床のうえに倒れていた。

「――黎、後少しで僕のものにしてあげるから」

中條がわたしを見下ろしながら言った。

最初から、この人は別れるつもりなんてなかったんだ…!

わかってたはずなのに。

気づいていたはずなのに。

なのに、ひっかかってしまった。

彼が仕掛けた罠に、かかってしまった。