「蓮ちゃんと黎ちゃんを守りたかったの…。

蓮ちゃんを傷つけた中條が許せなかった。

どうしても黎ちゃんを自分のものにしようとする中條が許せなかった。

だから、わたしが2人を守るしかないって思った。

大好きな2人を、中條から守ろうと思ったの…」

最後のところは、独り言のようになっていた。

でも、水萌の気持ちはわかった。

僕と姉を守るために、水萌は自分1人で中條に立ち向かった。

「――水萌…」

僕は、彼女を抱きしめた。

怖かったと思う。

逃げたかったと思う。