「――中條が怖かったの…」

水萌はポロポロと、涙を流した。

「わたし、中條に会いに行ったの…。

もう関わらないでって、別れてくださいって、言いに行ったの…。

でも、彼は首を縦に振ってくれなくて…」

僕は水萌の話に耳を傾けた。

「そうしたら、襲われそうになった…。

あいつに…中條に、襲われそうになった…。

別れるを取り消してくれるなら、望むことをしてあげるって…」

「…何でそんなことをしたんだよ?」

僕は聞いた。

自分から中條に会いに行くなんて、自殺しに行っているようなものじゃないか。