バンッ!

研究室内に乾いた音が響いた。

同時に、つかんでいた中條の手が離れる。

「大嫌いです!

これ以上わたしにも、弟にも関わらないでください!」

わたしは中條に向かって叫んだ。

ドアを開けると、外へと飛び出した。

校門に出ると、
「水萌!」

蓮ちゃんがいた。

「蓮ちゃん…」

迷うことなく、わたしは彼の胸に飛び込んだ。

「ちょっと、おい…」

いきなり飛び込んできたわたしに、蓮ちゃんは戸惑った。

「バカ、離れろ!

周りが見てるぞ」

ただひたすら、蓮ちゃんの胸に顔を埋めた。