「…ああ、死体だ」

蓮ちゃんはくわえていたフォークを離すと、息を吐いた。

昨日の今日だから、蓮ちゃんは相当なまでに傷ついている。

「今度は焼死、犯人も暇なもんだ」

やれやれと言うような顔をする蓮ちゃんだけど、いつもの蓮ちゃんじゃなかった。

「そうだね」

わたしは返事をした。


本日の授業を終えると、向かった先は研究室だった。

目の前に立っているドアに対して、ここで怖じ気づいてはいけない。

――わたしは、戦うんだから。

そう自分に言い聞かせると、ドアに手を伸ばした。