妻と自分のために買ったダブルベッドは、彼女と肌を重ねるための場所と化していた。

中條は横になる。

肌触りのいいシーツが肌に触れた。

「――黎…」

自分と彼女が関係を持ち始めたのは、遠い昔のことだった。


きっかけはゼミだった。

自分が講師をしているゼミに佐々木黎が入ってきたのがきっかけだった。

当時、彼女は大学2年生だった。

最初は、まじめな生徒と言う印象だった。

ゼミはもちろん、大学も休まないできている。

レポートも期限を守って必ず提出している。

一言で言うなら、優等生だった。