よく晴れた日曜日のことだった。

「じゃ、行ってきます」

恋人・池田水萌(イケダミナモ)が靴を履くと、僕に向かって笑いかけた。

「ああ、楽しんでこい」

僕こと佐々木蓮(ササキレン)が言った。

今から彼女と僕の姉、佐々木黎(ササキレイ)が出かけるのだ。

「それにしても…黎ちゃん、遅くない?」

そう言って中をのぞき込んだ水萌に、
「ごめんごめーん」

パタパタと廊下を走りながら姉が玄関にやってきた。

「遅い、黎ちゃん」

頬をふくらませた水萌に、姉は靴を履きながらごめんの仕草をした。