一夜あけて、今日から学園生活が始まります。

友達できるかな?
うまくやってけるかな?

不安を抱える半面、ワクワク気分も多い。

琉維はまだ寝てるみたい。
でも、そろそろ起きなくっちゃ遅刻なんじゃない?

あぁそう、相部屋と言っても、部屋が二つあったのは不幸中の幸いかな。

「琉維ー!起きないの?遅刻しちゃうよ?」
「…んー」

気持ちよさそうに寝る琉維。…ってコラ!寝るなーっ!

「マジで起きてよーっ」
「んー、やだ…」
「やっ、やだったって起きないと遅刻だよ?いいの?」

起きる気配なし。

「もー、私先に行くからね?」

そう言って部屋を出ようと立ち上がった。

ガシッ

「へ…?ちょっ、琉維?!私まで遅刻しちゃうから離してーっ」
「…いいじゃん、一緒に寝よーぜ」
「なっ、何言ってんのっ?冗談いいから、離してよー」

ぎゅー。
手首を握る力が強くなった気がした。

「いい加減に起きろーっ!」

バッチーンっ!

「いってー!何すんだよっ?!」

何って?平手打ちだよ。
だって一向に起きない琉維が悪いんじゃん。

「早く起きて学校行かないと遅刻だからね?私は知らないよーっと」

もう、置いて行っちゃおうっ!

鞄を手にとり、部屋を出ていった…。