「か…………ざね?」

「へ?」




暗闇の中で名前を呼ばれた気がした。




夕日が眩しくて顔が見えない。

……誰?


「……誰?」


思った事を声にだしていた。


あきらかに男の人の声だ。私は普段男の子と関わらない。


別におとなしくもなければ女の子らしくもない。

ただ関わるタイミングがないから。

引っ越して来てから1週間が経ったけど学校は制服や用具が届く明日から。




だからもちろんのこと男の子を含めましてや女の子の友達もいない。