「主様っ…!!」
私は人身をとり、主様を抱き起こした。






「…き…つね…?…お前、その耳は…」

「いいえ…そんなことよりも主様は怪我などしていないのですか?」

「…私は…問題ない……。」




主様は私の肩を借りつつも立ち上がった。
だがその添えられた手は何時もよりも熱を持っていた。
「…?主様…?」

「……っ」





主様が倒れかかった所を、私は何とか支えた。

「…主様、命令を。」

「…ああ、…か…えるぞ…。」




私はまだ平行感覚の掴めぬ身体で、主様を乗せ京の空を駆けた。