私は普通の人間には可視出来ない。






こうして屋根の上を飛び渡ろうと、訝しがられることはない。






「………っ」






腹部に激痛が走る。






そこには主様が手当てをしてくださったのだろう、白い包帯が巻かれていた。







私は一足飛びで昼の京を駆けた。






早く主様のもとに向かわなければならぬ。






あの方に謝らなければ…。






しかしそれよりも、あの方をひとりにしてはならないのだ。