“会いたい”なんて、悠さんに言えない。

甘えられないんだ。

大人な私でありたいと、思ってしまう。

この1週間、会わなかったのは、仕事の邪魔をしたくないから。

私は自分で、彼の中でのランクを最下位にしていた。

1に仕事。

2に家族。

3に友人。

そして最後に、彼女。

だから、あの字も言えずに来たんだ。



『じゃあ、今から言う場所に来てくれる?』



「わかりました」



私は翔さんに指定された場所をメモに控え、着替えて家を出た。

タクシーでただ、海辺の遊園地へ。

観覧車が有名な場所だ。