家に着き、暗い部屋に入った時、とてつもない孤独感に包まれた。

人と居る時間は、楽しくても悲しくても、孤独なんてかい。

ーーブーッブーッ

電気も点けず、ベッドに座ると、鞄の中で携帯が震えた。

“澤井翔”

電話の相手は翔さん。

出るか迷ったけど、出る事にした。



「もしもし…」



『海ちゃん?今どこ!蘭も心配してたのに!』



「すいません。蘭と守さんを邪魔したくなくて、帰って来ました」



『家なんだね?良かった。
また何かあったら困るから』



翔さんの優しさが、心に沁みた。

母親に抱き締められたような。

そんな、感覚。