“飾り”なんて…半分、状態で言っただけ。

全てが本心なんかじゃない。

自分だけが傷付く。

こんなに苦しい事なんて。



「ごめん、海。帰ろっか…」



「うん…」



出て来た蘭と歩き出す。

繋がれた手が寂しい。



「蘭――ッ!!」



「守…」



会話がなかった私たちの前に、守さんが現れた。



「俺は蘭が世界一、好きだー!!」



愛を叫ぶ守さんに、みんなは注目。



「私も大好き――ッ!!」



守さんの胸に飛び込む蘭も。

羨ましくて。

微笑ましい。

私は2人に拍手をしながら、輪から離れた。

そして、1人、歩き出した。