翌日、予定通りの9時から告別式から始まった。

光も、粕屋と来てくれた。



「海…母さんに贈るさくらを注いで来てくれ」



お経が始まる中、私は父親に頼まれて、現在の酒蔵へと行く。

味を見て、完成したのを探し、瓶に注いだ。

【さくら】と書かれたシールを張り、戻ると父親が涙目で受け取り、瓶を抱き締めた。

その姿を見て、ここに残りたくなった。

けど、卒業した約束を果たした私は、母親の遺影を見つめながら“頑張る”と、心を鬼して誓った。



「よっ!」



遅れて来た賢介君が声を掛けて来た。