その手を避けて、私はみんなにお茶を淹れに行く。



「海ー?居るかー?」



…煩いなぁ。

振り返り、玄関の方を見ると、賢介君のお兄ちゃん、紳介ーシンスケー君が居た。

24歳、妻子持ちのやり手な時期社長である。

欠点は、声がデカイ。



「何か用?」



「茶でも貰おうってな」



「入りなよ」



中に入れ、7人分の麦茶を淹れた。

適当に紹介して、お茶を飲む。



「これからは、賢介とも進行が増えそうだな」



「え…?」



けど、紳介君の言葉に手が止まった。



「聞いてないのか?徐々に2人の婚約話が出てるけど」



そんなの。

…聞いてないよ。