私が首を振る中、悠は頷き、ジャケットから四つ折りの髪を取り出した。

男女の名前が多数、書かれたメモ。

どれが候補かわからずに居ると、下の方に一つずつ、丸が付いた名前があった。

女の子は“心愛ーココアー”。

男の子は“來礼吾ークレアー”だった。



「どんな意味なんすか?」



「漢字は勝手に組み合わせたけど、“海がくれた愛”。ダサいけど、略して“くれあ”」



恥ずかしそうに答えた悠に、3人で笑いながらも、「良い名前」と、頷いた。



「來礼吾ー、私が叔母ちゃんだよー」



「じゃあ俺は、叔父さんだ(笑)」



名前の由来に、私は心を強く打たれた。