お腹を撫でながら香川さんを見つめてると、これから大学に行くのか、鞄を持った私服の翔さんが近付いて来た。

右手の薬指に嵌まる指輪が、まだピカピカと輝いてる。

ホワイトデーに、お返しをあげた高校の同級生に告白されて、付き合い始めたみたい。

長い友人期間を経て。



「今日も幸せ分けに来たよー!」



「毎日のように言ってますけど、有り余ってるので、結構です!」



義姉弟というより、最近、私たちは“友達”という言葉が当て嵌まる気がする。

不思議な縁だったのかも知れないね。



「じゃ、行ってくるね」



「いってらっしゃい」



…さて。

洗濯機は止まったかな?