「は、早かったね;;」



「アフターで、ほとんどメンバー消えた」



「翔さん、モテモテだったでしょ!」



「あいつは珍しく、売れ残り」



そう言うと、後ろに振り返った。

…え゛っ;;

気付かなかった。

悠の後ろには、段ボールを抱えた翔さんが、暗い顔して立っていた。



「どうしたんですか;;」



私が声を掛けると、翔さんは「誉に負けたー!!」と、段ボールを床に落として叫んだ。

床には高級店のバレンタインチョコが広がった。



「うっさい。お前がこんな日に、同伴したのが悪い」



「シツコイから…」



…ふぅ。

ご飯の準備しよ。