「何ですって――ッ!?」



怒りが増したナツホさん。

悠さんが接客中のお客さんに頭を下げて、近付いて来るのが見える。



「皆様、お騒がせを致しました。ナツホさんも申し訳ありません。
翔。席にお連れしろ」



「はい…」



翔さんは私に手を合わせた後、ナツホさんの背中を押しながら、元の席に連れて行った。

私は悠さんに腕を掴まれ、外に出された。



「どうしてキレさせるような事を言った」



「まさか、怒るとも思わなくて」



お金になるお客さん。

お金にならない、お礼に一杯、貰った私。

どちらを大切にするかわかる。