「何で、“みかん”?;;」



「酸味が欲しい」



「…何で;;」



と、言いながらも、私はみかんを剥いて、悠に渡した。

剥けないんです、この人。

剥いた事ないらしいです、このお坊っちゃま。



「美味いな」



「それは…良かったね;;」



白菜を切りながら、返事をして、調理を進める。

みんなが揃った頃には完成して、後はグラスを準備だけ。

ーーバタン…ッ

…って、何事!?;;

私は勢い良くしまったトイレのドアを見てから、リビングを見た。



「何があったの?」



「んー?はる兄にキムチ鍋をよそって渡した瞬間、トイレに駆け込んだ」



…体調、悪いの?