出掛けてる小虎さんから、<11時半に着く>とメールが着た。

後、1時間はある。

私はお祖父ちゃんたちに「お墓に行って来る!」と伝えて、両親のお墓へ、線香とチャッカマンだけ握って走った。

1分でも速く行けば、長く居れるから。

夜ではよく見えなかったお花も、綺麗に供えられてる。

線香を点け、しゃがんで手を併せる。



「お父さん、お母さん…心配しか掛けられなくて、ごめんね…」



どうして、自分がここまで弱くなったのか、わからないんだ。

悠にすがり過ぎてるせいかな?

顔を上げ、辺りを見渡せば、誰も居ない。

木々と、視線の先には海。