お祖父ちゃんと小虎さんも、お祖母ちゃんの声でこちらに振り返る。

キャリーケースを引いてる私に、お祖母ちゃんが手を掴みに来た。



「…っ…」



その瞬間、今まで堪えてた涙が、込み上げて来た。



「海っぺ?」



「も…限界…だ、よ…ッ…」



頑張っても。

堪えても。

寂しいんだよ。

会いたい。

大好きなんだ。



「海ちゃん…そんなに頑張らなくて良いんだよ」



「帰って着ても良いんだ、海」



お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも、私を温かく出迎えてくれた。

誰も責める事なく。