けど、悠さんも接客するんだと知り、胸が痛んだ。

辺りを見渡すと、キャバ嬢みたいな人の髪の毛を弄りながら笑う翔さんを発見。

隣に視線を向けると、悠さんが、私以外のみんなもメロメロになるような笑顔で、お客さんの煙草に火を点けていた。

思わず目を背けた。

見たくなかった。

私が勝手に好きなのに、心は冷たくなるんだ。



「海ちゃん?」



「…翔さん」



悠さんが来ると思ってたけど、来たのは翔さんだった。

期待しても、無駄だった。

私は鞄から領収書を取り出した。



「37万2千円です」



「これね。兄貴が丁度、入れてるから」



「この度はありがとうございました」



すぐに帰ろうと、受け取った封筒を鞄に入れて、立ち上がった。