私は後ろに振り返り、悠の顔を見ようと、少し伸びた髪を指で払うと、目はもう閉じかけ。

口に人差し指を当て、蘭に“静かに”とジェスチャーで伝えて、蘭が使ってる毛布を掛けた。

3人掛けでも少し小さいベッドで小さくなって眠る悠。

最近、忙しくて睡眠時間が少なくて、本当に疲れてるんだと実感した。



「私、守の大学でも行こうかな」



蘭は手提げ鞄に財布と携帯を詰めた。

私も買い物に行こうかと、「途中まで一緒に行こうよ」と、立ち上がりながら声を掛ける。

2人で駅の方面に向かって歩く。

蘭は「今日は鍋が良いかも」と、マフラーを首にキツく巻き直した。