「美味い…」



「そうでしょ?さくらは、最大限まで焼酎臭さを減らしてあるんです」



それで呑み過ぎてしまう人も居るけど、お茶やソーダで割っても、相性はどれも抜群。



「私も貰いまーす!」



私は一口目に氷すら入れずに呑むのが好き。



「はぁぁぁ…幸せ」



美味しい。

父親の愛情が、ちゃんと伝わる味だ。



「オヤジかよ」



「日本人は、昔から焼酎にあたりめなんですよ!」



「あーそうですか!」



悠さんはあたりめに手を伸ばし、一本、私の口に入れた。



「あたりめが似合う女を見たのは初めてだ」



「貴重なんですよ?」



何気ない発言。



「そうかもな」



なのに悠さんは、私の目を見て、笑いながら答えた。