「悠の匂い…」



「そりゃあ、目の前に居るしな」



同じベッドに入り、ギュッと抱き締めて貰った。

みんな居るのに、ちょっと大胆になってしまう。

…どうしてだろう。

母親が亡くなった日のように、夜が怖くなった。

寂しくて。

会えない筈の父親が、目の前で現れそうで。

娘として、この気持ちは最悪だろうか。



「悠…」



「ん?」



「悠とは、まだまだ一緒に、居れるよね…?」



「当たり前だろ」



いつも抱き枕が、私の相手をしてくれた。

でも、今日は悠が居る。