夜風が髪を揺らして来る。

甘い香りがしたと思って振り向くと、悠と聖さんが、お碗を持って立ってた。

「これ」と渡されたお碗の中身はおしるこで、食べ終えた2人が届けに来てくれたらしい。



「ありがとうっ」



箸とお碗を受け取り、一口、飲む先ずと、ゆっちんが「熱っ!!」と、大きな声を出した。

ビクッとしながらゆっちんを見ると、聖さんが「大丈夫かッ!?」と、かなり心配してる。



「溺愛だね(笑)」



「…かなりな」



悠は“ウザい”と言わんばかりの顔で聖さんを見てる。

私はゆっちんと聖さんを見ながら、おしるこを食べ切った。