ボーッと考えてると、私の挨拶の時間になった。

考えは纏まらない中、立ち上がると、参列者の中に、私を涙ながらに見つめて来る、お祖父ちゃんたちと同世代であろう夫婦を見付けた。

―――すぐに直感した。

産みの母の両親。

すなわち、私のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんだって。

目を逸らせずに居た私に、頭を下げてくれた。

私は「ふぅ…」と息を吐き、口を開いた。



「父が亡くなって…思う事は、もっと色々な話をしたかった。知らない事が多過ぎたと思います…」



お母さんとの話も、知らなかったね。

いつも一緒に遊んでたの?

お母さんのどこが好き?

もう聞けない事。