話す事は決まってない。

どんな言葉から始めて。

どんな言葉で終わらすのか、それすらわからない。

焼香をしてくれてる人たちに頭を下げる。

近所の人たちまでも、父親の死を悲しんでくれてる。

どれだけ愛されて来たんだろう。

どれだけ支えられて来たのか。

父親について知らない事が、本当はたくさんあったのかも知れない。

全て知ってる気になってたのかも知れない。

どんな子供だったのか。

モテてたのか、モテなかったのか。

もっともっと、話せば良かった。

私の話ばかり、聞いてくれてたもんね。