目を閉じ、寝息を起てる父親に、私は返す言葉が見当たらず、ただ手を握ったまま、下を向いて涙を溢した。

私の為に、辛い治療を頑張った。

お母さんに会わせる事は、ご褒美なのかも知れない。

確かに、父親にはまだ生きてて欲しい。

けど、楽しく人生を終えて欲しい。

母親が急死した時、父親は悔しそうだったから。

また、喧嘩したい。

だから、しようよ。

最期まで、一緒に凄そうよ。

お父さんの残りの人生、私に輝かせてよ。

お父さんと、お母さんの愛は、ちゃんと心にあるから。

私はいっぱい感じてるから。