「佐藤さんは、白血球の数値が正常な人に比べて10倍の量でした。
今、抗がん剤で治療を進めていますが、思うより効果が出ていません」



治療の内容や、経過の書かれたカルテなどを、土岐田先生から受け取った兵藤先生は、隅々まで見てる。



「私としては、骨髄移植をした方が良いと、思ってます」



「“骨髄移植”…」



テレビでしか聞かないような単語だった。

詳しくは知らないけど、わからない事でもない。

何て言って良いかわからない私に、「先ずはご家族の方から、適性検査をさせて下さい」と言われて戸惑った。

お祖父ちゃんたちの体を考えると、私しかいない。