『…まだ言わないつもりだったけど…』



「何ですか…?」



『“白血球”なんだ…』



ーーゴンッ



「…海?」



「海、どうしたの?」



私の手から、携帯がすり抜けた。

…“白血球”…?

お父さん…死んじゃうの…?

その場で固まった私。

悠が携帯を拾い、小虎さんと話してる。

けど、その声は右から左へと流れて行くだけ。



「…明日、朝一で向かいます。
今は、海を落ち着かせたいので」



悠は電話を切ると、ソファーに座り、煙草を銜えた。

でも、すぐにテーブルへと放った。