テーブルに並べられた料理に、ヨダレが垂れそうに。

和と洋で、食材は高いだろうけど、箸がつけやすいモノで統一されてる。

薬指に嵌まる婚約指輪が、シャンデリアの明かりで反射する。

みんなにお祝いして貰って。

たくさんのプレゼントを貰って。



「失礼致します」



私がうっとりしていると、蘭の執事さんが来た。

久しぶりに見たけど、相変わらずダンディーなおじさんだ。



「旦那様と奥様から、“海さんに”と、お預かりして参りました」



渡されたのは、翔さんがくれたピアスのジュエリーボックスの、一回り小さい箱。