「これ…っ」



私は智を見た。

智は「ドレスに垂れる」と、涙と鼻水を拭いてくれる。

箱の中身はウエディングドレスで、私は箱から出して、思わず抱き締めた。



「3人だと安くてさ、悠さんのタキシードも作って貰ってるから、式をお楽しみに!」



「“安くて”って;;」



私は竜太郎さんの発言に涙が止まった。

特注なんて、高いに決まってるのに。

“安くて”って、言っちゃいましたよ、この人;;

苦笑して立ち尽くす私の前に、守さんが来て、何かを頭に乗せて来た。



「海ちゃんに似合う、ティアラを持って来ました」



…“ティアラ”;;

歩けない!!;;