「忘れられない」



「何が?;;」



「翔の香り」



「「……;;」」



ちょっと変態というか、顔じゃなくて“香り”と言った事に、私と悠は目を合わせて苦笑い。

ゆっちんは「何でだろ」と、缶のタブを開けて一気呑み。



「好きだから、だろ?;;」



悠が苦笑いのまま言うと、ゆっちんは「ないない」と言う。



「俺は、自分より強い男が好き」



「そう言い聞かせてるんだろ?
好きになるのに、理屈もタイプも何もねぇよ」



ワインを呑み、「だろ?」と言った悠に、「あんた…翔と似てるね」と、話を逸らした。