「悠が、私を早く忘れてくれたら良いですね…」



「海ちゃん。それは逃げだよ」



「わかってますよ…。わかってるからこそ、馬鹿して笑い合える智にすがるのかも知れません…」



寂しさを、智が忘れさせてくれるんだ。

重ならない2人だからこそ、私は智を1人の男性として、見ようとしてる。

見る事が出来てるんだ。

…ダメだね…。

自分から、悠に嫌われるような事をして。

逃げて逃げて。

どんどん、私は彼に溺れるだけ。

好きになって行く。



「弱かったんです…私が…」



涙は虚しく、絨毯に落ちた。