「すぐに、悠の事を考えてしまうんです…」



離れないんだ。

頭から悠の事が。

朝、目が覚めて。

夜、目を瞑って。

当たり前の繰り返しにも、悠の顔がちらつく。



「ねぇ、智晴ートモハルーって幼なじみ、呼んで良い?」



「まだ恋愛は…」



「良いの。友達としてで」



朋菜さんが、どうして私たちを知り合わせたかったのか。

それは後(のち)にわかる事だった。

“友達として”会う事に、私は頷いた。

…どうにでもなれ。

そんな気分だった。

部屋を片付け、智晴さんという人を待つ事にした。