「お前も俺に向けてんだろ」



「竜太郎は吸わないからね」



女性向けの煙草を挟む朋菜さんの指先は、赤に染まってた。

綺麗で刺激的だった。

私はマニキュアを、一度も塗った事がないんだ。



「お待たせしました。生中、さくら、カシスウーロンになります」



「どうもー」



竜太郎さんがグラスを回してくれた。

乾杯をし、私は半分を一気に呑んだ。



「ふはぁ…美味しい」



今日はジャンジャン呑みたい。

申し訳ないけど、守さんに奢って貰って。



「呑みっぷり良いねー」



そう言う竜太郎さんも、ほとんど呑み切っていた。