待機してた迎えの車はすぐに来て、日暮さんを乗せて、澤井家に向かった。

“竜太郎”と呼ばれた彼は、蘭のお母さんに色々と話してる。

私は守さんの服の裾を引っ張った。



「どうした?」



「私…悠に…」



「ちょっと出掛けようか。蘭に内緒で」



守さんはタクシーを停めると、竜太郎さんを放置して、どこかに向かわせた。

高速にまで乗り、私はキョロキョロとして、状況を把握しようとする。

タクシーに乗せられて。

高速に乗った。

…わからない;;

それだけで、行き先がわかる筈がなかった。