でも、私の心も体も悠しか知らない。

悠しか、触れて欲しくない。

だから、別れをちゃんと言う。



「何の冗談だ」



「冗談じゃないよ!悠と居ると息が詰まるの。もう、解放して…」



財布を出し、テーブルに千円を出した。

「さようなら」と立ち上がれば、悠は「いらねぇ」と、千円を返そうとして来た。



「私もいらない――ッ!!」



悠を突っぱね、カフェを出た。

後ろから聴こえる舌打ちに、涙が出そうになる。



「ちょっと、待てって」



悠に腕を掴まれ、歩道の真ん中で止められた。