甘えてて。

まだまだガキだけど。

人を愛する気持ち。

相手を大切にする心。

わかったから。



「馬鹿か」



悠は私を鼻で笑い、愛情たっぷりのキスをしてくれた。

いつもなら、悠の事しか考えられなくなるキス。

でも今日は、違った。

…ごめんね…。

話せなくて、ごめんなさい。

謝罪しか、浮かばなかった。

今にでも話してたら、きっと泣かなくて良かった。

悠を傷付けなくて済んだんだ。

私は何を守りたかったのだろう。

悠は一瞬でも、私を嫌っただろうか―――。

後にも先にも、私には聞けない事だ。