贅沢になってたのかも知れない。

それを、私に教えに来てくれた。

そう、思う。

そう、思いたい。

キスをされると感じて、目を閉じても唇に何も触れない。



「何で泣いてるんだ」



その代わりに、頬を温かい手が撫でた。



「…幸せだから。かな…」



この言葉に、嘘はない。

幸せ。

きっと、私は世界で一番の幸せ者だ。

優しくて。

でもクール。

カッコよく。

頭が良い悠と、居れるんだから。

ちゃんと、わかった。

自覚した。

だから、昨日の出来事は夢にして下さい。

ただの夢にして。