「もう黙りなさい」



「はい…」



蘭は口を固く締め、私に引っ付いた。



「白鳥さん。申し訳ないが、息子はこちらの海ちゃんと結婚させるよ」



「貴方!」



「考えてもみなさい。お前が一番わかるだろ」



「でも、私は後悔してなくてよ!」



「“今は”、だろ」



「……」



リビングが重苦しくなった。

姫李のお父さんが、「娘には諦めさせるから!;;」と、雰囲気を元に戻そうとする次第。



「帰ろうか、姫李」



「は、い…」



姫李は悠に何度か振り返りながらも、お父さんと帰って行く。