「ちょっと赤くなっちゃった;;」



「落ちただけ、良いだろ」



姫李やみんなの存在も忘れ、私は悠の眉間を指で撫でた。

腰に回された手も振り払わず、ジッと見つめてると、「おーい…」と、翔さんに呼ばれた。



「あぁっ…!;;」



慌てて悠から離れて、「すいません――ッ!!;;」と、勢い良くお辞儀。



「海だけだよ。こんな冷血に惚れ込むの」



「誰が“冷血”だ」



私を挟んで睨み合う2人にため息を吐いた蘭のお父さんが立ち上がった。

2、3回しか会った事ないけど、相変わらず若々しくてカッコいい。